こなそんそんフェス2018の感想①


チャットモンチー主催のフェス、「こなそんそんフェス」を観に、徳島まで行ってきた。

そしてこれがチャットモンチーのラストライブ。

最後の最後にも関わらず、全く湿っぽい感じになっていなかったのが不思議だった。

不仲とか、活動のどうしようもない行き詰まりとかではなく、「やることはやりきった」が故の「完結」だから、湿っぽくなる必要もないのかも。

こんなラストライブはこれからも中々ないだろう。ハッピーエンド。

 


チャットモンチーは昔から聞いていたけど、しっかり聞くようになったのは去年、「共鳴」を聞いてからだった。

人数が増えてピアノ・キーボードの出番が増えたためか、ロックバンド然としたところが減り、悪く言うと少し丸くなってしまったのかな?と思った。

最初は驚愕のヒップホップ曲「ぜんぶカン」位しかまともに聞いていなかった。

でも、ドライブ中に繰り返し聞いていくうちに「あれ、どの曲も良い・・・?(困惑)」となって、あっという間にはまってしまった。

しっかり聞いてみると「毒の花」「いたちごっこ」「ドライブ」・・・どれも名曲だった。

「Majority Blues」「消えない星」「Magical Fiction」といった「共鳴」以降の曲もしっかり聞いてみるとどれも素晴らしく、アルバムを買い揃え、遂に昨年夏には徳島まで旅行に行ってしまった。

チャットモンチーは今が一番旬だと思っていた。


そこからまさかの11月の完結発表があり、落ち込んだものの気を取り直して正月にこなそんのチケットを確保した。

日々働く中であっという間に時は過ぎ、春を過ぎ夏を迎え、遂に完結の日を迎えることになってしまった。

この2日間が終わってみると、やっぱり楽しい時間は一瞬だったなと思う。祭りが終わって、明日から現実の世界をどう生きていこう、という気持ちになる。

思い出になるのもとても早そう。

 


会場は20代前半~中盤?が多かった。1990年代前半生まれがかなりの数を占めていそう。そして24歳の私にとって同世代感が半端なかった。

10代半ばにチャットモンチーに出会い、そのまま大人になっていった人たち。


何となく、「青春の終わりとは、好きなバンドが解散することである」という作家の樋口毅宏の言葉が胸をよぎる。

「青春」という言葉には何か抵抗があるし、それらしい青春を送ってきたわけでもないんだけど、私も20代半ばに差し掛かり、チャットモンチーも完結し、これで青春を完全に見送ってしまったのだろうか・・・?  

人生の中の、可能性に溢れた時期を、完全に見送ってしまったのだろうか・・・?

ライブ終了後はずっとそんなことを考えていた。そして勝手にひどく寂寞感を感じていた。

ライブ自体は湿っぽさ0だったのに、一人で湿っぽい気持ちになってしまっている。

 


チャット自体は2人の仲が悪くなったわけではないし、またふらっと再結成してみて欲しい!ぜひ。

チャットモンチー」という形ではなくても、2人が共演する日は、何となくそう遠くはなさそうな気もしている。2人の活動はまだ未定とのことだけど、えっちゃんは「橋本絵莉子波多野裕文」の活動はまだまだやり続けそう。チャットモンチーとは少し趣の違う、自分の原風景を掘り起こしたような歌詞がとっても魅力的だった。

あっこちゃんも、おおはた雄一とのユニット・くもゆきやOLUYOの活動もあるだろうし、今後も驚異的な人脈を活かして幅広い活動を続けていって欲しい。

今回のフェスでも、南海キャンディーズしずちゃん浜口京子と女子会をしていることを知りびっくりしたよ。何というメンバー。

 


ということで最後に簡単なライブレポを上げてみます。

※2日間とも参加したけど、初日は前から2列目だったよ!

 

<初日>

シュノーケル

 

サポート2名を加えた5名体制。

しょっぱなから轟音で格好良かった!常に笑顔でドラムを叩いている山田さんが素敵。

1曲も知らなかったんだけど、新曲「NEW POP」も含めてどの曲も安定して良い!

 

yonige
 

バスドラの音がとても心地良かった。これまで聞いたドラムの中でベストかもしれない・・・サポートのホリエユウノスケさんという方なのね。女性だと勘違いしていた。

THE・大阪人といった感じの、ベースのごっきんさんの喋りも好き。リズム隊の安定感が抜群でした。

牛丸さんの歌も素敵。アンニュイな喋り方とのギャップも素敵。

 

Base Ball Bear

 

サウンドチェックの時に突然現れて「17歳」を演ってくれたのだけど、何か機材トラブルがあったのかな?

一曲目「BREEEZE GIRL」はいまいち音が合っていない感じだった。(特にギター)ただし、そこから先はどんどん安定してきた。

3ピースになったことで唯一自由に動ける存在となった関根嬢が会場を左右に動き回る!新作「光源」からの「逆バタフライ・エフェクト」のうねるベースラインは白眉。

そして最後は「ドラマチック」で大盛り上がり。

 

EGO-WRAPPIN'


大所帯で登場。

完全横ノリの音楽にどう馴れて良いかみんな最初はなんとなく迷っている感じだったけど、さすがに歴戦のミュージシャン。ステージ上を駆け回り、会場のボルテージを徐々に上げていった。

EGO-WRAPPIN'ファンが前の方に来て踊り狂っていたのには笑った!

「くちばしにチェリー」が聞けて満足。


奥田民生


噂には聞いていたけど歌声がデカい+凄い。驚異的な音量で、声を張り上げた瞬間クラっときた。

セットリストはほぼ「サボテンミュージアム」の曲+「イージュライダー」「さすらい」といったもの。正直に言ってしまうと、「サボテンミュージアム」の曲はどれも似たような曲調で少し冗長な気がした。

その代り、アンセム2曲のパワーはすごい。「さすらい」はここ数年テレビ番組で使われまくった効果かな?奥田民生と言えばコレ!という一番の代表曲になったような。


チャットモンチー

 

代表曲を一通り、ドラマーを次々変えて・・・といった形で進む。

しんみりしていない、相変わらず緩い感じのステージ。酔っ払いおじさん(奥田民生)がそれに拍車を掛ける。

「きっきょん」(FM徳島のジングル)「阿波のたぬき祭り」(地元のCMで流れていた曲)といった遊びもあり、最後のライブだから、もっとたくさんチャットモンチーの曲を聞かせて!とも思ったんだけど、"地元でやるお祭り"なんだからこれが正解なんだよね。

ドラマーが奥田民生ベボベ堀之内⇒シュノーケル山田に変わり、最後はBase Ball Bearとシュノーケルの全メンバーが登場。若若男女サマーツアー(06~08年開催のチャットモンチーBase Ball Bear・シュノーケルによるツアー)の同窓会になっていた。

当時演っていたという「今夜はブギー・バック」のカバーから、「シャングリラ」へ。

 

そして高橋久美子登場!

間違いなく会場が一番湧いた瞬間だった。

「シャングリラ」のバスドラが7年振りにクミコンによって鳴らされる。それだけで感無量な夜でした。


(つづく?)